今回は、ミュージックビデオをコピーしたあの曲!
EP6 『เพื่อนเล่นไม่เล่นเพื่อน(Just Being Friendly)』
HotWaveの審査のために、ミュージックビデオを作ることにした“Chinzhilla”メンバーたち。曲目はTilly Birdsの『เพื่อนเล่นไม่เล่นเพื่อน(Just Being Friendly)』。
Tiwが監督となって本家MVのBL版を作ることになり、カップル役になったGunとTinnは距離を縮めるけれど、“友達のライン”を越えるには音楽部の交際禁止ルールが立ちはだかって…
エンディングでフルバージョン丸ごとMVを見せてくれる演出にもファンが湧き立った回でした。
オリジナルはTilly Birds Feat. MILLIの2021年の楽曲。
劇中でTiwも言っていましたが、MVの再生回数は1億回超え、2021年のTOTY Music Awardsで男性グループのBest Music of the Year受賞、JOOX Thailand Music Awards(2022)ではCollaboration Song of the Year受賞と、MVも楽曲もめちゃくちゃ人気の作品です。
BLドラマファンには、Cutie PieでNuNew演じるKuea(Kirin)が歌ったことでもお馴染みですね。
原曲は、ちょっとダブテクノっぽさも感じるような、渋めでおしゃれなサウンド。
Chinzhillaバージョンはポップロックなアレンジで、けっこう印象が違います。
今回も、高校生バンドながらちょっと懐かしさを感じるシティポップ風サウンドなのが、Chinzhillaカラーという感じですね。
Tilly Birdsは2014年デビューの3人組バンド。日本にもファンが多く、日本ファンからは「チリバ」の愛称で呼ばれているようです。
Bad Buddy SeriesでPatが口ずさんでいた曲もTilly Birds
FeaturingのMILLIも、日本でも知っている人はかなり多いはず。現在20歳の大注目ラッパーです。
2021年には政府のコロナ対策を批判するツイートを投稿したことで起訴され、Twitterには当時18歳のMILLIを守ろうと#SaveMilliが溢れたことでも話題に。
さらに2022年には米国最大級の音楽フェス「コーチェラ」に出演し、ステージ上でカオニャオマムアン(タイのマンゴーと餅米のスイーツ)を食べるパフォーマンスが注目を集めました。
タイドラマファンにはFriendZone2のOSTでもお馴染み。
MVのオマージュ
本家MVを主要キャストみんなで完コピ&BL化しているという、こんな豪華でサービス満点なものをドラマの中で見れてしまうとは!
これ、元々このMVを知っていた視聴者にとってはめちゃくちゃ楽しい映像ですよね…タイのティーンが盛り上がる要素が詰め込まれてるなあ、と感心します。
本家でTillyBirds&MILLIがレスキュー隊(たぶん)に扮しているパートは、Chinzhillaバージョンはバンド演奏や歌唱映像に変えていましたが、ここにも、QUEENのボヘミアン・ラプソディ?と思わせる遊びがあったり…
部室でのバンド演奏シーンは、ブリットポップやUKロックのMVで100万回は見た「どこかわからない謎の狭い部屋で演奏するバンド」の感じが出てますね。
いつもの部室が、バンドMVあるある・あの謎部屋に!
ツナギの衣装は本家のTillyBirds&MILLIがMVで着ているレスキュー隊風の衣装のオマージュかな?と思いますが、真っ赤なのは斬新。
これも何か元ネタがあるのかな?と思いましたが、それらしいものは見当たらず。この赤いツナギみんな似合っててとてもかわいいので、Tiwson先生のセンスなら天才ですね…
TiwはEP5でコミュニケーション・アーツ学部志望(親は工学部を希望)と言ってましたが、高校生でこんなMV作れるなら絶対その道に進んだ方がいいよ…
実は「スキルを示せる曲」?
Porがコンテスト応募曲としてこの曲を提案した時、Soundは「もっとスキルを示せる曲がいい」と返してましたね。
この時彼が挙げたバンド名はSilly FoolsとBig Ass。
Silly FoolsはEP1で民謡(モーラム)アレンジした、あの『น้ำลาย(Num Lai)』のバンドですね。
Big Assは1996年結成のニュー・メタルロックバンド。
エレキギターのソロパートが得意なSoundにとっては、ロック曲の方がそのスキルを示せると感じるのかもしれません。
たしかに『Just Being Friendly』の原曲にはギターソロはないのですが、ChinzhillaバージョンではちゃんとSoundの見せ場を作るのも忘れてませんでした。
↓このギターソロのメロディがまたすごく良い!
しかし実際のところ、この『Just Being Friendly』けっこうな難曲なのでは…?
メロディの高低差が激しくて、音域が広く音程が確かな歌い手じゃなきゃ歌えない。少なくとも歌唱スキルを示す意味では、コンテスト向けにナイス選曲だったのでは…
ボーカルメンバーが3人もいるChinzhillaだからこそ歌いこなせるんだなあ…なんて思っていたら、EP8でびっくり。
Gun(Fourth)、1人でこの曲歌い切っちゃいましたね…
EP8 Gunソロ歌唱の意味
EP8では、HotWaveの第1ラウンドを見事通過し、次のライブ審査に挑もうとするGunたち“Chinzhilla”。
学校での泊まり込み練習には、「監視役」としてTinnも同伴することに。
何かとトラブル続きの練習を乗り越えた本番前日、眠れないGunをTinnは連れ出し、夜の学校散歩へ。
さらに絆が深まる2人だけれど、TinnはGunに大会を観に行けないと告げて…そして迎えた、HotWave第2ラウンド本番は…というこのシーン。
しかし、PVでは3人で歌っていたのに、ライブ審査ではなぜGunのソロボーカルにしたのだろう?とちょっと不思議に思えたのですが…
このシーン、コンテスト出場シーンであると同時に、実はTinnとGunの関係性が大きく変化したシーンだったのかもしれません。
なにしろ次のEP9では、お互いを「แฟน(フェーン=恋人)」と呼び、つ、付き合ってるですとー!?
いやちゃんと付き合い始めたのいつからか教えてくださいよGunさん…!
母親に従順だったTinnが、自分の意志で殻を破り、ライブ会場に駆け込んだあの瞬間が、2人が「友達のライン」を超えた瞬間だったのかもしれません。
だからここはフルコーラス、Gunの心情をたっぷりソロで聴かせる感じにしたのでは…
『เพื่อนเล่นไม่เล่นเพื่อน(Just Being Friendly)』の歌詞概要
友達に片想いしている心情を歌ったラブソング。やたら距離を縮めてくる相手との微妙な関係が、ちょっとコミカルにすら感じられるリアリティで描かれています。
ただの友達のままでいたいなら
そのレーンにとどまっていてよ
僕が友達のラインを越えちゃっても
まだそばにいてくれる?
そうじゃないなら
そんなに距離詰めないで
歌える日本語歌詞は、Gunの心情を追いたくて、MVバージョンとライブバージョン両方につけてしまいました。
この曲に込めたGunの想いが、ちょっと伝わるでしょうか…?