しゅみの部屋

suki na koto no hanashi bakkari

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ViceVersaタイトルカラー考察EP5~7

癒しのミステリータイBL『Vice Versa』、現在BSテレ朝にて放送中!

www.telasa.jp

YouTubeからはこちら(Nekocap日本語字幕あり)

www.youtube.com

 

リアタイ当時Privetterに書いていた各話タイトルに冠された「色」の意味についての考察を、ここに加筆・修正しつつ再掲載していきます。

 

EP5. WINTER WHITE

もちろん雪のシーンがこのタイトルと絡んで最も象徴的だけれど、これまでの流れを考えると、もっと何か意味がありそう。

Friend Creditsが白紙になったこととかかなーとも思ったけど、Puen自身の基本カラーが白のような気もしてきた。

Puenは元の世界であまり幸せではなかった?と思える場面がちらほら…
Talayといる時はいつも陽気なのに、P'Dolでさえ「普段は無表情」と言う。P'Pangに再会して笑顔になる前から、我々が知ってるPuenは、Talayの前でいつもヘラヘラ笑ってるPuenちゃんなのですが…w

そしてPangも、Puenが「撮影現場では冷たく難しい顔をしていた」と。

さらに、Talayには「ポートキー」が見つかったら「自分を待つな」「夢を捨てるな」と言いながら、自分自身はTalayと一緒に帰れる時を待つと言う。
Puenにとって、俳優の仕事はあまり大事な夢ではなかったのか。

白い雪に覆われるように、この世界でPuenは名前も変えて、「白紙」になりたかったのだろうか…

 

そしてTalayも…
もしあのピンク(DEEP MAGENTA)のズボンがTalayの心を表していて、EP2の最後くらいの時点ですでにTalayの方がTun(Puen)を好きになっていたとしたら…
Talayは実は「恋愛に興味がない」のではなく、Tun(Puen)への片想いを自覚して、わざと興味がないふりをしている?

その解釈で見ると、Talayは恋愛に疎いAロマンティック傾向の人物ではなく、ゲイであるゆえに恋愛に悲観的な人物のようにも見えてきた。それがTalayの、ピンクを嫌うブルーな心の背景か…?

そして、これは今のところ完全になんとなくの憶測なんだけど、もしかしてTalayはすでに、TunがPuenだとわかってて、本人が明かしてくれるのを待ってたりしないかな…?

あと、何度か見返して気付いたんだけどTalayの携帯ケースの色は青で、Tun(Puen)のは白でした。けっこうこの「2人のベースカラー」って予想は当たってる気がしてきたぞ。

 

EP6. FIRE YELLOW

服の色、背景、灯りの色など、タイトル通りイエローが多分に使われているけれど、最後のP'Joobに捧げられたキャンドルの灯火が、FIRE YELLOWの意味するところを示したと考えて良いのでは…と思っています。

PuenとTalayの恋心の新たな展開のカラーなのかと思っていたところに、この悲しい展開は、大きな衝撃でした。
まさか死者を悼むキャンドルの灯りの色だったとは……

しかしこれをふまえてこのエピソードを最初からさかのぼると、それまでに出てきたFIRE YELLOWの意味がさらに深まる気がします。

黄色い灯火は、失った人を恋い慕い、その淋しさにただ心を沈める時の色。
喪失の時に、その隙間をすぐに何かで埋めようとするのではなく、ただ淋しいと思うその気持ちを大切にすること。その色は少し、セピアにも似ている。

Frend Creditsの4人が再び集まった時、優しい黄色の灯火に包まれ、花火を空に掲げ、彼らが語るのは、どれほど互いが恋しかったか。
しかし彼らが語る恋しさ・淋しさは、復活の道へとつながっていく。その時FIRE YELLOWは、祈りの色のようにも見えてくる。

失ったものへの淋しさ、恋しさを、誤魔化さなかったからこそ、その想いは「再び出会いたい」という祈りとなる。そして祈りは、彼ら自身を変える力となる。

しかし、P'Joob追悼の後、TalayがPuenに泊ってほしいと頼んでベッドで語り合うシーン、引きのショットでは両脇に黄色い電球色のライトが灯っているのが見えるけれど、大切な話をしているところではアップになって、それらは映らない。ここで印象的な色は、青と白。

白いシーツのベッドに横たわるPuenとTalay。Puenは青いTシャツ、Talayは黒白チェックのパジャマで、全体に青みがかったトーンの画面。

cr.GMMTV OFFICIAL Youtube

この直前のインタビューで、2人は互いに出会えたことへの感謝を語る。
両脇のライトはP'Joobの死を悼む気持ちだろうけれど、互いに対する喪失感は、もう2人にはない。
けれど、2人の関係を何と呼ぶかはまだ決められずにいるから、ただ2人の色、青と白がともにあるだけということなのかな…

そういえばPuenのカラー=白説で見ると、Friend Credits解散後の別離を経てTalayがPuenを訪ねた時、階段で2人が語るシーンでのPuenの背景の白は、まさにTalayがいないと世界が真っ白になってしまうPuenを物語っているようでした。

そして…もう一つ、何なのかはわからないけれど妙に気になるのが、キャンピングカースタジオの前で記念撮影をする時に、Pakornのお母さんが「この色の方がいい」と黄色い服のTalayと緑の服のPuenの立ち位置を入れ替えさせるシーン。

わざわざ色について言ってるからには何か意味があるのかー?と勘ぐってしまいますが、うーん、わからない…

ワゴンの前にFriend Creditsの4人が並んで写真を撮っている。撮影者はTunの両親。左端にTalay、左から2番目にPuenがいる。

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※ここは後に、グリーンの色解釈によって一定の意味を見出せました。そちらもまた後述します。

EP7. SUNSET ORANGE

前半は、タイトルカラーを画面の中に見つけるのがかなり難しかったです。

最初の方で目立ったオレンジ色は、Puenの髪を洗ってやる時のTalayのシャツ

SUNSET ORANGEなのに夕日を見に行くシーンでオレンジの夕日が全然映らないのも逆に気になります。

むしろ画面全体で多く使われている色は、ホワイトベージュブラウン
SOFT BLUSHカラーの幸せなピンクベージュではなく、かなり白の印象が強い、セピアのような色合いのベージュ。Talayが皿洗いしている時のキッチンのブラウンの壁も美しくて印象的でした。

そしてEP6のテーマカラーだった「喪失」のFIRE YELLOWも随所に。Puenが映画をドタキャンした時の、Talayのジャケットやクッションの色。キャンピングカーで旅した時のTalayのシャツ。

Talayが皿洗いしている時は濃いブラウンに見えた壁が、PuenがTalayのために料理している時は同じ場所なのにホワイトベージュに見えてカラリストの仕事すごい!ってなりますが、ホワイトベージュはPuenの基本カラーである白が変化しつつあることの表現なのかな?
何もない「白紙」の白から、誰かを想う気持ちの混ざった少し寂しいセピアなホワイトベージュへ。

7話もだいぶ終わりに差し掛かったところで、ようやくTalayや「異世界タイ人協会」の人たちの服、背景などに、オレンジが目立ち始める。

そしてラストシーンの26picturesエントランスのレンガのオレンジ。

SUNSET ORANGEは、FIRE YELLOWがより深まり、自分自身の淋しさを乗り越えて相手を思い遣る慈しみの色なのかもしれない。

しかしTalayは先に煮詰まらすぎせて、相手を思うあまり自分を犠牲にしようとし、ほとんど焦げ茶色にしてしまう。

互いの幸せを想う気持ちがひとりよがりじゃなくなった時、やっと2人の中間の色、SUNSET ORANGEにたどり着いたのかも。

 

 

しかし今回、色以上に気になったことが…
彼らの実際の姿は、TessとPakornの体。Pangも登場した時は、別人の姿をしていた。

実際に周囲に見えている姿とは異なる、〈元の世界の姿〉の役者が演じるのは、単にこの作品独自の「表現」なのだと思っていたのだけれど…

Pangがキャンピングカーに現れた時、AouとUpはその美しさに見惚れる。
もちろんこの世界での姿の「ヨガ講師の彼女」も美しかったから見惚れてもおかしくないんだけれど(ていうかあの役者さん誰!?めっちゃ可愛いんだけど誰か教えて)、シーンとして見ると、Namtan演じるPangが印象的な美しさで現れて、それにAouとUpが息を呑んだように見える。

そういえば、P'Joobや、EP2のゲストキャラSom(Milkが演じていた女性)にPuenはイケメンと評価されているのに対し、Talayはあまりそういうことを言われない。
中の人は全員ハンサムな俳優なので「設定として」しか捉えようがないけれど、実際の姿であるはずのTessとPakornだったら、むしろTessの方が映画の主演を頼まれたりする、華やかなタイプのようだった。

しかし、PakornではなくPuenその人のイメージが周囲に伝わっているのだったら、「人気俳優」という設定上、JoobやSomの反応は納得がいく。

そして、Talayの匂いのついたシャツを着たがるPuen…

目に映る姿とは別に、転生前の本人を感じさせる「何か」があって、TalayとPuenも、周りの人々も、外見は転生後の体に見えていても、姿かたち・匂いなども含めた「本人の雰囲気」を実は感じ取っているんじゃないだろうか…?