しゅみの部屋

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【タイドラマ】My School Presidentの音楽の世界【EP1-2】

今回もEP1からです!ほんとBLドラマで1話に2曲も音楽シーンあるなんて、BL好きかつ音楽ドラマ好きには嬉しすぎますね…

 

EP1-2『น้ำลาย(Num Lai)』

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演奏シーンはEP1の終盤(4/4)。

一週間以内に結果を残さなければ廃部と言い渡されたGunたち音楽部“Chinzhilla”。しかし今週中に開催する目ぼしい音楽イベントはなく、しかたなくお寺の「民謡コンテスト」に出場します。

初めは民謡ではなくロックバンドの曲を演奏し始めたと思われ、ブーイングを受けるChinzhillaですが、途中から民謡アレンジに変わっていく演出に、会場は大盛り上がり!という場面です。

こんなアレンジ力まで持ってるなんて、この高校生バンドレベル高すぎる…

さて、この民謡アレンジされた曲のオリジナル版がこちら。

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タイのロックバンドSilly Foolsの2004年に発売されたアルバム『King Size』に収録された『น้ำลาย(Num Lai)』。

タイトルの意味は、自動翻訳だと「唾液」と出てきてしまうんですが、歌詞の内容やいくつかの英訳のパターンから判断するに、「たわごと」「でたらめな噂」みたいな意味合いなんじゃないかな…?と想像しています。

 

---※追記:このタイトルの意味について情報をくれた方がいました!---

さらに、その時のフォロワーさんとの会話のツリーも見せていただけました。

 

「น้ำลาย」という表現を使っている歌詞は、Txrboの曲4MIXの曲にもあるようですが、一方では「侮辱」、もう一方では「嘘、不誠実な言葉」という意味で使われている。
文脈によって意味合いは変わってくるけれど、「聞く価値のない、有害な言葉」全般を表す語、という感じのようです。

キューさんありがとうございました!

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ところで、この原曲のイントロ、どこかで聴いた気がしませんか?

実はEP1冒頭、Gunが「夢の中のHot Waveのステージ」で演奏しようとしていた曲…

そして去年のHot WaveでYak先輩たちが演奏しようとしていたのも、この『น้ำลาย(Num Lai)』の原曲バージョン。

そしてさらにこちら…

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バンド活動ができる部活を探していたGunたちの前で、Yak先輩たちが初めて演奏するのが原曲に近いアレンジの『น้ำลาย(Num Lai)』なのです!

Yak先輩たちの代の定番曲だったのかもしれませんね。

 

しかし、Gunたちの代のChinzhillaはこの先もいろいろなT-POPをカバーしていきますが、どれもちょっと懐かしいシティポップ風のアレンジです。それがGunたちの代のChinzhillaのカラーなのかもしれません。

ロック寄りなYak先輩たちの代とは音楽性が違っているのも、芸が細かいですね。

民謡コンテストで披露した『น้ำลาย(Num Lai)』の冒頭の、民謡に変わる前のアレンジも、ロックというより、爽やかなポップスという感じでした。

 

タイの民謡「モーラム」

ところで…この民謡アレンジバージョンを聞いて、みなさん思いませんでしたか?

「タイの民謡、めっちゃポップだな!」と。(私は思った)

タイの民謡について調べてみると、「ルークトゥン」と「モーラム」という2つの名が出てきました。

ルーク・トゥン(ルークトゥン)とは? 意味や使い方 - コトバンク

モーラムとは? 意味や使い方 - コトバンク

このどちらかなのだろうか…とセリフを注意して聞いてみると、「モーラム」という言葉が聞こえてきた!

さらにコンテストのチラシを画像翻訳で見ても、「モーラム」と書いてあります。

このコンテストが指す「民謡」とは、イサーン地方発祥の音楽で、80年代以降はタイ全土で人気だという「モーラム」のことだったようです。

上のモーラムについての記事には

イサーンでは,1980年代後半以降,じっくり聴くよりは踊るためのモーラム・シンが人気を集めている。

とあり、みんなが踊り出すのは、Chinzhillaの演奏がちゃんとモーラムとして観客にウケたことの表れなのですね。

 

さらにモーラムに関しては、こんな興味深い記事も。

www.daco.co.th

BNK48もモーラム調の曲をリリースしていたとは…

youtu.be

これめっちゃ中毒性ありますね…

 

日本で「民謡」と聞いて想像するよりも、もっとタイで愛されている、大衆に馴染み深い音楽がモーラムなのかもしれません。

もちろんロックやポップス、ヒップホップなど現代的に進化しているT-POPの世界で、Chinzhillaのようなバンドが「モーラムのコンテスト」と聞いて躊躇するのも理解できますが。

しかし、こういう他ジャンルとのコラボレーションの土壌があることをふまえて見ると、Chinzhillaによるロック曲のモーラムアレンジがすぐに受け入れられたのも納得できる気がします。

 

『น้ำลาย(Num Lai)』の歌詞概要

『น้ำลาย(Num Lai)』は、他人のでたらめな噂に左右されて、恋する人が振り向いてくれない悔しさを歌った切ないラブソング。

ひとは語るだろう 僕は駄目なやつ
悪いやつだって 話してもいないのに

周囲の無理解を嘆くのは、ロックらしいテーマですね。

同時にモーラムのコンテストにそぐわないのでは?と疑問の目を向けられたChinzhillaがあの場で歌うのにもぴったりの歌詞です。

音楽部を廃部にしようとしている(とGunたちは思っている)生徒会長Tinnに向けての、「本当の俺たちを見てよ、悪いやつじゃないんだよ」というメッセージにも聞こえてくるような気がします。

 

そして…歌詞の解釈を深めるために、やっぱり歌える日本語歌詞もつけてみました。

niyari-niyari.hatenablog.com

『デタラメ』は私が勝手につけた日本語版タイトルです。
ラップの部分は原曲にはなく、Chinzhillaバージョンオリジナルのようです。

 

しかし、EP1の2曲が語れることが多すぎて、今後同じ調子でやっていけるのか不安になってきました。情報少ない曲はめっちゃ少なくなるかも!